思秋期 バンザイ!~人生下り坂を楽しむブログ~

旦那と一人の娘がいる50代なかばの獣医師。自分の好きなことを好きなだけやってきた。 子育てもひと段落。自分時間が持てるようになって、人生下り坂を楽しもう!思秋期 バンザイ!

動物園の獣医さん : ゾウさんと出会う

動物園に転勤になったばかりの頃

夢がかなって、本当に嬉しかった

天にものぼる気分!

 

小さな頃からの、憧れの仕事

 

 「動物園の獣医さん」

 

そんな時のこと…

 

 

最初の担当は

サル類、トラ、カンガルー、シカ、ヘラジカ、スイギュウ、ラクダ、バク、キョン

 

しかし

 

ほかのエリアの

担当獣医さんが、休みの日

ほかの動物も診る

 

ライオン、キリン、ゾウ、ヘビ、鳥類

たくさんの種類の動物がいる

何たって、ここは

 

      動物園

 

いろんな、動物達と

実際に関われることが

ただただ、嬉しかった

 

 

そんな時…

 

ゾウさんの担当者にも

「ゾウにも興味があるので

    ヨロシクお願いします」

と話した

 

軽い気持ちで…

 

「いつでも来てください」

と、快い答えがかえってきた

 

しばらくして…

 

ゾウさんのバックヤードを訪れた

 

 

ゾウさんの飼育は

おもに、二つの方法がある

 

ひとつは

    直接飼育

ゾウさんと一緒に

寝室や運動場に入って

飼育する方法

 

もうひとつは

     間接飼育

寝室や運動場に入らないで

飼育する方法

 

ここの動物園は、直接飼育だった

ゾウさんと直接ふれあえる

 

しかし

 

これが、大変なこととは

その時は、想像だにしていなかった

 

当時の

アフリカゾウさんは

まだまだ子供のオスとメス

かわいらしい仕草が残っていて

遠目からみたら、微笑ましい

 

しかし

 

間近で見るその姿は

自分の背丈よりも大きく

威圧感がある

 

ブーーーーン!

 

と、その長い鼻を振られると

人は、簡単に

ふっとばされてしまうだろう

 

そんな動物と

ひとつの敷地内でふれ合うという

経験は今までない❗

 

 

そして、なによりも

ゾウさんは頭が良い

人を、しっかりと見極めランク付けをする

 

『あっこいつは、何だ!

    自分よりも弱っちいかも!』

 

なんて、ゾウさんは

思っているかどうかは分からないけど

しっかりと、人間を観察している

 

ゾウさん担当のキーパーさんが

「ゾウさんは、一度、会った人を

    しっかりと、覚えている。」

と、教えてくれた

 

そんなゾウさんと

一緒に寝室や運動場に入って

ゾウさんに

感じた、危機感

 

できれば

一生、かかわらずにいけたらいい

動物かもしれない

 

これは、生半可なことでは

務まらないぞ!

 

身の危険を感じた

 

ゾウさんの担当でなくて

良かったと思ったのが

正直な感想だった

 

その後、しばらく

自分の担当エリアの動物を把握するため

担当エリアのキーパーさんと

コミュニケーションを取るため

時間に追われる毎日

 

そんな時

 

ゾウさん担当のキーパーさんが

「ゾウさんに興味があると

    言っていたのに

    全然、ゾウさんの所に

    来てくれないじゃ無いか」

 

その時

ゾウさんに関わるのが

怖いと言えなかった

 

日々の業務、診察に四苦八苦

早いもので、1年が経った時

 

担当エリアが変わった

 

なんと

ゾウさんの担当エリアになってしまった

 

これでは

自分の担当エリアでは無いからと

逃げることも出来ない

 

私は

はらをくくるしかなかった

 

 

 

 

 

 

 

思秋期 バンザイ!

~人生下り坂を楽しむブログ~