ある日のこと
ゾウさんの長い牙の横から
膿がでたと連絡があった
行ってみると
オスのゾウさんの牙の付け根から
黄色い液が出てきていた
そこで
ゾウさんに注射をすることになった
もちろん、それまで
ゾウさんに注射した事は
なかった
大動物の
ウシさんや、ウマさんに
注射をするときは
いきなり注射器をつけたまま
ブスッとさすのではなく
まずは
針だけを手に持って
腰からお尻の筋肉の厚いところに
何回か手の甲で
トントントンと叩く
そして、次の瞬間
手首を返し
指でもっていた針を
すかさずグサっと突き刺す
トントントンでごまかして
グサッである
すると、そこには
針だけが腰に刺さっている状態になる
その針に、注射器の本体を付けて
薬液をチューーーと注射するのである
この要領で
ゾウさんのお尻に注射をすることにする
ゾウさんのキーパーさんが
オスのゾウさんを寝室に入れてくれた
そして、手がとどきやすいように
ゾウさんには
フセの姿勢をとってもらう
この体勢に、なれるのも
日々の調教のおかげ
しかし
皮膚の厚いゾウさんの皮膚
上手く刺さるだろうか？
と不安に思いつつも
太い針を手に持って
トントン、グサッ
注射器を付けたまま
いきなりグサッと刺すのではなく
針だけで
トントン、グサッ
おおおーー！
無事に、刺さった❗
その後
お尻に刺さった針に
薬液の入った、太い注射器を付けて
薬液を注入
注射をしている間
もう一人のキーパーさんが
好物のリンゴを少しづづ
食べさせてくれていた
注射が終わった後
おとなしく、注射をさせてくれたゾウさんに
リンゴのご褒美を、食べてもらった
しかし
始終、内心は
ドキドキ
無事終わって
ホッ
リンゴ、美味しかったでしょ！
嫌いにならないでねーー
思秋期 バンザイ！
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