思秋期 バンザイ!~人生下り坂を楽しむブログ~

旦那と一人の娘がいる50代なかばの獣医師。自分の好きなことを好きなだけやってきた。 子育てもひと段落。自分時間が持てるようになって、人生下り坂を楽しもう!思秋期 バンザイ!

動物園の獣医さん : 駆除したスズメバチは…

f:id:OgumakiVet:20201227175813j:image

 

動物園内の植栽の中に

スズメバチが巣をつくった

 

来園者が刺される危険があるため

スズメバチの巣を駆除することになった

巣の大きさは、バレーボールと同じぐらい

 

 

f:id:OgumakiVet:20201122205629j:image

 

 

そこで

害虫駆除のエキスパートがひとり

助っ人として来てくれた

 

私も、興味があるため

成り行きを見守ることにした

 

 

駆除は、閉園後

夜になって行われた

 

スズメバチは夜になると

巣に戻って寝る

 

夜8時ぐらいに

私とは別の獣医さんが

駆除のエキスパートさんと

偵察に行くが

まだ、巣の入り口に数匹の蜂が

陣どっていたため

すぐに帰って来た

 

時間をおいて

また

二人は出かけて行った

 

しばらくすると

今度は

黒いビニール袋を持って帰って来た

 

どのように駆除したか聞いてみると

 

巣の入り口に

クロロホルムを染み込ませた脱脂綿をはめ込む

これで、スズメバチは出てこれない

 

巣の中は、ワンワンブンブン騒然となる

 

すぐに

麻酔がかかり

スズメバチ達は静かになった

巣の周りに

黒いビニール袋をすっぽりと被せ

しっかりとビニール袋をくくる

 

一晩その状態で置いておく

 

次の日

 

袋を開けてみると

スズメバチの成虫は、すべて死んでいた

 

巣を割ってみる

 

巣はきれいな球形

そして、その内部は

何層にも重なった蜂の巣があった

 

f:id:OgumakiVet:20200912214120j:plain

 

初めてみるスズメバチの巣に

私は興味深々

 

何層にも

重なった蜂の巣のひとつを

取り出してみると

 

プクプクと太った幼虫が

巣の中にたくさん動いていた

 

白くて、いかにも柔らかく美味しそう

蜂の子を、食べる郷土料理もあるのが頷ける

 

スズメバチの成虫は

中の構造がわかるようになった巣と

一緒に展示することになった

 

そして

スズメバチの幼虫は

どうなったかと言うと......

 

私が、

動物園で保護されているムクドリの雛の

大きく空いた口の中に

ピンセットで1匹ずつ食べさせていった

 

f:id:OgumakiVet:20201206210520j:image

 

ムクドリの雛は

幼虫がよほど気に入ったらしく

喉につまりそうになりながら

飲み込んでは

また大きく口を開ける

 

蜂の子のごちそうに

大満足の保護鳥だった

 

f:id:OgumakiVet:20201109144222j:image

 

 

 

 

 アイキャッチ・イラスト: はるいらさん

twitter.com

 

思秋期 バンザイ!

〜人生下り坂を楽しむブログ~