動物園内の植栽の中に
スズメバチが巣をつくった
来園者が刺される危険があるため
スズメバチの巣を駆除することになった
巣の大きさは、バレーボールと同じぐらい
そこで
害虫駆除のエキスパートがひとり
助っ人として来てくれた
私も、興味があるため
成り行きを見守ることにした
駆除は、閉園後
夜になって行われた
スズメバチは夜になると
巣に戻って寝る
夜8時ぐらいに
私とは別の獣医さんが
駆除のエキスパートさんと
偵察に行くが
まだ、巣の入り口に数匹の蜂が
陣どっていたため
すぐに帰って来た
時間をおいて
また
二人は出かけて行った
しばらくすると
今度は
黒いビニール袋を持って帰って来た
どのように駆除したか聞いてみると
巣の入り口に
クロロホルムを染み込ませた脱脂綿をはめ込む
これで、スズメバチは出てこれない
巣の中は、ワンワンブンブン騒然となる
すぐに
麻酔がかかり
スズメバチ達は静かになった
巣の周りに
黒いビニール袋をすっぽりと被せ
しっかりとビニール袋をくくる
一晩その状態で置いておく
次の日
袋を開けてみると
スズメバチの成虫は、すべて死んでいた
巣を割ってみる
巣はきれいな球形
そして、その内部は
何層にも重なった蜂の巣があった
初めてみるスズメバチの巣に
私は興味深々
何層にも
重なった蜂の巣のひとつを
取り出してみると
プクプクと太った幼虫が
巣の中にたくさん動いていた
白くて、いかにも柔らかく美味しそう
蜂の子を、食べる郷土料理もあるのが頷ける
スズメバチの成虫は
中の構造がわかるようになった巣と
一緒に展示することになった
そして
スズメバチの幼虫は
どうなったかと言うと......
私が、
動物園で保護されているムクドリの雛の
大きく空いた口の中に
ピンセットで1匹ずつ食べさせていった
ムクドリの雛は
幼虫がよほど気に入ったらしく
喉につまりそうになりながら
飲み込んでは
また大きく口を開ける
蜂の子のごちそうに
大満足の保護鳥だった
アイキャッチ・イラスト: はるいらさん
思秋期 バンザイ!
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