思秋期 バンザイ!~人生下り坂を楽しむブログ~

旦那と一人の娘がいる50代なかばの獣医師。自分の好きなことを好きなだけやってきた。 子育てもひと段落。自分時間が持てるようになって、人生下り坂を楽しもう!思秋期 バンザイ!

動物園の獣医さん : シマウマの削蹄

動物園でよく見かけるシマシマ模様の動物

 

            シマウマ

 

大自然では走り回っている、足が勝負の動物だ 

 

 

しかし

動物園ではあまり走る機会がない

 

このため、蹄が伸びてくる

まるで、魔法使いの靴をはいているように

 

長く伸びた蹄は、足に負担がかかる

 

そこで、定期的に

麻酔をかけて削蹄しなければならなかった

 

その頃

麻薬性の麻酔薬の許可をとっていなかったため

3種類の薬剤を組み合わせ

吹き矢に入れて何本も注射していた

 

体重も測定できなかったため

おおよその体重で計算する

そのため

麻酔するときは、いつも悩む

 

効かなければ、暴れて削蹄できない

効きすぎると、身体に負担がかかり

死亡の危険性となる

 

以前、麻酔した時の状態を参考に

その量を増減

 

それでも

その時の状態、体調で

効きすぎたり、効かなかったり

 

削蹄する部屋は

壁にシマウマが暴れてもケガしないように

防護用のゴム製の干渉材を張る

 

そこに入れられたシマウマは

落ち着かない様子でウロウロ、ウロウロ

 

窓や戸の隙間から

お尻に向けて、吹き矢をふいていく

 

フッ、フッ、フッ

 

お尻に吹き矢が何本も、命中

 

麻酔が効きだすと

フラフラし、座りこんだり倒れたり

 

そして

横になると、キーパーさんが数人

寝室に入り、ガッチリと保定

足にロープをかけて動かないようにする

削蹄時に、動くと危ない

 

削蹄には、電動グラインダーを使っていた

 

前後の蹄を、同時に削って行く

 

グイイーーーーーン、ガリガリガリ

グイイーーーーーン、グイングイン

 

次々に

蹄の削りカスが

床に散乱してくる

 

蹄が伸びすぎると、足に負担がかかり

血管も伸びて少し削っただけで出血

そうならないように

定期的に削蹄をしなければならなかった

 

しかし、すぐに伸びてしまう

それが、何頭も

 

シマウマの削蹄には

人手が必要なので

係の協力がいる

みんなの予定を調整して

定期的に、繰り返し削蹄をしていた

 

削蹄が終わると

出血のあった蹄から、細菌感染を守るため

蹄に軟膏を塗る

 

抗生物質の注射して

 

頸静脈に

麻酔から覚醒させる薬を注射

 

保定している人は

その部屋から素早く出る

 

シマウマが立ち上がるのを

かたずをのんで見つめる

 

麻酔は

ききはじめ(導入期)と

目が醒めるとき(覚醒期)が

 

一番危険

 

窓の隙間から、麻酔が醒めるのを見守る

 

2、3回フラフラ転ぶものもいたが

おおむね、スクッと立ち上がってくれた

 

しっかりとした足取りになったのを確認して

その場を後に

 

 

麻酔をかける時はいつも真剣勝負

 

麻酔から醒めた動物を確認して

笑顔が戻った

 

 

 

思秋期 バンザイ!

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