動物園の獣医さんに、なったものの
いきなり、動物園の動物達を
診ることができるか?
いやいや、はっきり言って
できはしない
獣医大学では、
ウシ、ウマ、ブタ、ニワトリなどの家畜
イヌ、ネコなどの愛玩動物
このような動物は、授業で習うのだが
動物園にいる動物など
教科書のどこを探しても
出てはこない
そこで…
新米動物園の獣医さんは
動物園の動物達に慣れるため
キーパーさんについて
飼育修行となった
その動物園は
大きく3つの班に分かれていて
そのそれぞれを、担当する獣医さんがいた
動物の具合が悪くなった時
その動物のキーパーさんから
担当の獣医さんが無線で呼ばれる
担当の獣医さんが、休みの日には
他の担当の獣医さんが治療にあたる
大きな動物の治療では
複数の獣医さんが、協力して治療する
結局は
全ての動物の治療にかかわるのだが
とりあえずは
担当の動物達の動物に、慣れるため
そして
動物園の動物達にも、私という新米獣医さんに
慣れてもらうため
順番にそれぞれ動物の飼育を一から学ぶ
朝、出勤すると
動物病院に入院している動物達の世話
その後
担当エリアの詰め所に行き
ミーティング に参加
当日のそのエリアの予定を確認した後
キーパーさんは、担当動物の獣舎に散っていく
そのあとについて
キーパーさんについて修行開始である
それぞれの個体のチェックを観察しながら
動物達を運動場へ放飼
獣舎の掃除
エサ作りにエサやり
獣舎の整備
夕方、運動場から獣舎に入れたあと
運動場を掃除
目まぐるしく一日が過ぎていく
キーパー修行して驚いたのは
キーパーさんの担当動物に対する観察眼
一匹一匹
一頭一頭
その個体の特徴や性格を把握して
この個体は、ああだ、こうだと説明してくれる
はっきりいって
動物の日頃の状態を把握していないと
どこが、異常か分からない
正常を知らないと
異常も分からないのだ
そして
キーパーさんとのコミュニケーションも
重要になってくる
獣医さんだけでは、病気を治せない
キーパーさんとの協力があって
動物園動物の、健康管理が出来る
もちろん
何か治療があるときは
キーパー修行をぬけて
先輩獣医さんと合流して
治療現場に向かった
時間の空き時間があれば
動物の生態や、動物園内の動物資料を読み
今までの治療の資料をひっくり返し
何か有効な治療法がないかと
様々な本や資料を読み返す
一日はあっという間に過ぎていった
園内をいつも小走りで移動して
みるみる間に
贅肉は削ぎ落とされスリムな体になった
こうして
動物園の新米獣医さんは
動物園動物の治療とともに
キーパーさん修行と
しばらくは二足のわらじを履く
忙しくて、充実した
動物園での仕事が始まったのである
アイキャッチ・イラスト: はるいらさん
思秋期 バンザイ!
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