思秋期 バンザイ!~人生下り坂を楽しむブログ~

旦那と一人の娘がいる50代なかばの獣医師。自分の好きなことを好きなだけやってきた。 子育てもひと段落。自分時間が持てるようになって、人生下り坂を楽しもう!思秋期 バンザイ!

動物園の獣医さん:クモザルの皮膚を縫う

 

ある日

 

クモザルのキーパーさんから

連絡が入る

 

治療用の薬、シリンジ等一式の入った

鞄を抱え、急いで獣舎に向かう

 

クモザルは名前のとおり

まるでクモのように

長い手足と

長いしっぽを持っている

その手足としっぽを器用使って

樹上生活に適応し移動するおサルさんだ

 

行ってみると…

 

 

クモザルくんの太ももが3cmぐらい

パックリ裂けている

 

雄同士でケンカしたようだ

その鋭い牙で噛まれると

皮膚はパックリ裂ける

 

動物のおサルさんの歯を

見たことがある人は

わかると思うが

どのおサルさんも「牙」は鋭い

人間位だろう、牙がないサルは

 

麻酔をかけて、縫合することにした

 

麻酔をかけて

クモザルくんを眠らせて

チクチク縫合

 

我ながら

無事キレイに縫えた

 

麻酔がさめる

 

しっかりとクモザルくんが

動き出したのを確認して

その場をさる

 

次の日…

 

クモザルくんの経過を見に行くと

元のように傷口パックリ

 

あ~~あ

 

やっぱりな~~

 


4本足の動物と違い

おサルさんたちは、手が器用

 

そのため

見事に糸を取ってしまう

縫合しても外してしまう

縫合する糸が表に出ないように

皮内縫合するのが良いのだが

 

それでも

見事に抜糸してしまうおサルさん

 

おサルさんと獣医さんの縫合をめぐる

いたちごっこ

 

このクモザルくん

化膿しないように

薬を飲ませてもらって

数日後

無事キレイに治りました

 

めでたし、めでたし

 

 

 

 

 

思秋期 バンザイ!

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