小さな頃からの夢だった
『動物園の獣医さん』
その夢がかない、4年間
動物園で働くことができた
哺乳類から鳥類、爬虫類
いろんな種類の動物たち
動物たちを世話するキーパーさんたちと
過ごした期間は
ぎゅーーーぅっと、濃厚に
凝縮された時間と体験だった
大学を卒業し、地方公務員の獣医師になった
臨床経験のないまま、三年後
動物園に異動
動物園という、狭くて広い世界で
自分という存在が試される
先輩獣医さんから、一から教わり
分からないことは、
全国の動物園の獣医さんに問い合わせ
色んな文献を調べる
休みの日には
臨床経験を積むため
近くの開業している動物病院に
頼み込んで
勉強させてもらいに通った
動物園の獣医さんとして
何とか自分も役にたち
動物園動物の命に
関わりたい一心で、がむしゃらに動いた
イヌネコと違い、情報も少なく手探り状態
いつも
園内を小走りで走り回っていた
なにより
キーパーさんに教わることも多かった
現場のたたき上げで
担当動物をよく研究し
動物たちの一番近くで観察している
キーパーさん
大学を卒業して、博物学に長けた
研究熱心なキーパーさん
そんなキーパーさん達はこれまた
ひとくせもふたくせもあるような
面白い人が集まっていた
そんな
キーパーさんとのやりとりは
面白かったなぁ~~
実際に
さわることができる動物もいるが
ほとんどが、直接さわれない
動物園の動物達
体重も目測で行うことも多く
餌に薬を混ぜて、投薬してもらっていた
実際に注射しなければならない場合は
小さな動物は
直接、捕まえたり
網で伏せたりして
押さえ込んで注射していた
スクイーズケージがある所では
動物をそのケージに誘導し
幅を狭め身動きができないようにしてから
注射する
しかし、それもできない時には
吹き矢!
狭い、バックヤードに動物を移動し
狙いを定めて
フッと吹く
この時に必要となる吹き矢
購入するわけではなく
自作!
暇な時に、内職のように
せっせと
吹き矢のストックを作っていた
注射器の黒いゴムの部分を
ひとつシリンジの中に加え
指にかける部分を
吹き矢の筒に入るように切り取る
注射器に命中率を上げるため
毛糸で尾っぽを付け
虫ピンで外れないように留めると
吹き矢の出来上がり
そんな吹き矢
ムダにはしたくない
的を作って
上手く当たるように練習していた
全身麻酔を
かけなければならない時は
いつも頭をかかえていた
M99などの
安全性の高い麻薬系の麻酔薬は
その当時は、使っておらず
数種類の麻酔薬を使って、麻酔をかけ
その動物を治療していた
結局
休日に勉強させてもらっていた
動物病院の先生の影響を受け
イヌネコの臨床に
どっぷり浸かりたくなり
小動物の臨床へと方向展開した
しかし
動物園でぎゅう~っと
凝縮された4年間の日々は
今では、良い経験、勉強となり
今の、仕事につながっている
そんな、
動物園での経験を
ぼちぼち書いてみようと思う
シロクマの治療
https://ogumakivet.hatenablog.com/entry/2019/08/26/073110
シマウマの削蹄
https://ogumakivet.hatenablog.com/entry/2019/08/17/135805
カバの出産
https://ogumakivet.hatenablog.com/entry/2019/07/31/202756
アイキャッチ・イラスト: はるいらさん
思秋期 バンザイ!
~人生下り坂を楽しむブログ~