少しぽっちゃりなオスのクロネコくん
中年の女性の飼い主さんは
毎月、きちんとノミダニの駆除
エサを買いにクロネコくんを連れてくる
いつもと同じように
「食欲はありますか?」
「はい」
「元気ですか?」
「はい」
「おしっこやうんちはどうですか?」
「でてるよ」
と、問診をとりながら
体重測定、触診、聴診を進めていく
特に、異常は認められず
ノミダニの駆除剤をクビにつけたら
はい、終了
キャリーバックを開くと
クロネコくんは、ゆっくりと入っていく
この診察室で、
約10年近く続くやりとりだ
その間で
ちょこちょこ話してくれる家族模様
クロネコくんは、家族の一員
なくてはならない存在
そんな飼い主さんが
帰りがけに、しみじみと
「このこがいなければ、
家庭が崩壊するかもしれない」
と、つぶやいて帰っていった
ちょっと、ドキッとしたが
それだけ、このクロネコくんが
大切な心のよりどころとなっているのだろう
日々の診察のなかで
飼い主さんが、話してくれる何気ない会話
それぞれの家庭での、ペットの存在が見えてくる…
二人だけでは、会話が無かったが
ワンちゃんが家に来てから、会話が増えた夫婦
喧嘩の時には、
それぞれがワンちゃんを通して話しかけている夫婦
子供を叱っていると
もう叱らないでとでも言わんばかりに
間に入って、ニャーニャーなくネコちゃん
ワンちゃんを散歩に行くようになって
近所の人と会話し、イヌ友ができた中年男性
などなど…
『子は、かすがい』といわれるが
いまや、
『かすがい』になっているペットは多い
アイキャッチ・イラスト: EMIえみうぇばさん
https://twitter.com/eminaillust
思秋期 バンザイ!
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